レイアウトの知識(1)

このポイントを抑えれば、可読性の高い優れたレイアウトが出来ますよ!

これは、ある経営者の団体のセミナーでのひとコマ。

「社員に、ある告知物のパンフレットを頼み、社員から、一応作ってみましたのでチェックをお願いします。こう言われても、自分は素人なのでどこをチェックしていいのかわからないのです。次回のセミナーは、“デザインの専門家からみたレイアウトのチェックポイント”というのをお願いできませんか?」という話から、引き受けた際のチェックリストを簡単にまとめたものです。最小限これらに注意すれば、作成する側の人にも、チェックする側の人にも参考になるかなと思います。

上の図はレイアウトする上で何がポイントになるかを示したものです。

何かを伝えるための告知物であるからには、必ずそこには文字(文章)があるはずです。

そこで、まず可読性の善し悪しを決定する要素としてどのようなものがあるかについて説明します。

【可読性を左右する要素】

①  一行の文字数

一行の文字数はどれくらいが読みやすいと思いますか?

縦組と横組ではその文字数は異なります。

結論から申し上げると縦組の場合は30~40文字、横組では20~30文字が一番読みやすいとされています。これは、眼球の動きと関係があるように思います。たとえば横組で、40文字以上になると眼球の動きだけでは読めず、顔自体も少し動かさないとならないでしょう。

縦組の場合は30~40文字、横組では20~30文字 を目安にすると良いでしょう。

 

②  文字のサイズ

これも可読性の善し悪しを決めるとても重要な要素です。

小学校へ入学して、1年生の時の教科書の文字は大きかったという記憶はありませんか?そして中学生になると、教科書の文字がずいぶん小さくなったなあ、と。さらにお年を召してくると小さい文字はとても読みづらいといったことを。

そうです。年齢によって読みやすい文字のサイズは変化してきます。

一般に成人対象の読み物は12級~14級(8~10ポイント)とされています。

対象が高齢者と限定されていれば、14級程度の文字サイズを使用すると親切ですよ!

 

③  行間

これもとても重要な要素です。

やはり縦組と横組では若干違いがあります。

縦組では文字サイズの60~100%の行間が読みやすいです。100%の行間をとった場合を「全角アキ」と呼んだりします。

一方、横組では文字サイズの50~70%、縦組より若干少なくても可読性は保たれます。

ちなみに「全角アキ」に対して50%のアキを「半角アキ」といいます。

 

全角アキ(文字サイズの100%のアキ)は読みやすいですよね。それに対して半角アキ(文字サイズの50%のアキでは、もう少し行間を開けた方が読みやすいでしょう。

横組では半角アキ(文字サイズの50%)でもある程度可読性は保たれていますね。

 

④  段組み

それでは、こういう場合はどうしたらよいのでしょう。

A4サイズ、縦位置にある程度左右に開きを設け、文字組みをすると、14Qサイズなら1行に46~48文字ほど入ります。「① 一行の文字数」のところで、横組ならば20~30文字が可読性がよろしいとありました。

このような場合は、次のようにすると良いでしょう。

これは2段組といいます。

最初の例は1段組です。2段組にすると、1行の文字数は26文字ですから、20~30文字という最適な1行の文字数に当てはまりますね。

⑤    フォント

見出しも本文もすべて明朝体あるいはすべてゴシック体という組み方ではある程度見出しの文字のフォントサイズを大きくしてもあまり目立たないかもしれません。

厳密な決まりというものではありませんが、本文を明朝体、見出しをゴシック体にすると変化もつき、読みやすくなると思います。

先ほどの例を、本文を明朝体にしてお見せします。

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