レイアウトの知識(3)
なるほどデザイン
ここではデザインのおもしろいものをいくつか取り上げてみようと思います。
「へー、そうなんだ!」と思うことが一つでもあれば幸いです。
① バランス
よく、バランスが良い、とかバランスが悪いなどという表現がありますね。
ここでは「見た目の中心」ということについてお話します。
同じ大きさの枠の中に、同じ大きさの点が置かれています。
どちらの方が点が中心にあるように見えますか?
実は左の方は物差しで測った実際のセンターに置いてあります。
若干下がって見えませんか?
点の上下の余白部分を見ると上にある方が広く(大きく)見えるものなのです。
従って、やや点が下がって見えるというわけです。
よく会社のマークなどを一番最後のページに入れることがありますね。
実際の中心より心もち上に配置するとバランスがとれますよ!
このような例は、次の漢字にも反映されています。
パソコンで「日本」の「日」の字を打ってみてください。
左がそれです。その文字をちょっと細工をして、真ん中の横棒をセンターの位置にずらしたものが右側です。上下に余白がありますが、先ほども記述した通り、上にある方が大きく見えますよね。ということは真ん中の横棒が下がって見えるはずです。
どちらがバランスが良いかは一目瞭然ですね。
② 開放的文字と閉鎖的文字がある
開放的文字の代表例の一つが「大」です。これに対して四方が囲まれた文字を閉鎖的文字といい、その代表例の一つが「国」です。
一番上の「大」と「国」は、普通にパソコンで打ったままの文字です。
真ん中の列は一番上と同じものですが、「国」の文字のまわりにブルーの四角を描き、それをコピーして左の「大」の文字のところに移動したものです。
「大」の文字の下の部分がこの枠よりはみ出していますよね。
一番下の列は、「大」の文字をこのブルーの枠にピッタリのサイズに縮小したものです。
この一番下の列の「大」と「国」を比べると、「大」の方が小さく見えませんか?
つまり、開放的文字は閉鎖的文字より若干大きく設計されています。
それでバランスがとれているというわけですね。
③ Zの法則(視線の移動)
チラシなどの印刷物では左から右へ、上から下へ、視線が移動します。
ちょうどZの形になるので、これを「Zの法則」と呼びます。
※何のために作るのかという目的を明確にして、その目的を達成するための手段として作るとよいでしょう。
④ ジャンプ率
本文、小見出し、大見出しの文字サイズの変化率を「ジャンプ率」といいます。
左側の作例は「ジャンプ率が小さい」ですね。ジャンプ率が小さいと、落ち着き感があり、学術的と表現されます。
これに対して、右側は左の例より「ジャンプ率が大きい」です。ジャンプ率が大きいと、躍動感や力強さ、若々しさを感じさせます。
告知物の内容やターゲットが明確であれば、どちらを選択すれば良いかが分かると思います。
文字のジャンプ率ばかりでなく、写真にもジャンプ率があります。
ずいぶん紙面の雰囲気が変わりませんか?